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道歌の本『童子重宝 以呂波歌教訓鑑』全文紹介Bこ〜す・京
【あ】 | 【て】 | 【え】 | 【こ】 |
【こ】こうへんへごくらうかけなすみやかに とせいをすれバおやもまんぞく
〔公辺へ御苦労掛けな速やかに 渡世をすれば親も満足〕
【え】えたることしよくをだいしにきハめつゝ げいのうゆさんぶんにしたがへ
〔得たること職を大事に極めつつ 芸能遊山分に従え〕
【て】てにとれぬつきをてにとるおやのおん ししやうのおんをかねてしるべし
〔手に取れぬ月を手に取る親の恩 師匠の恩をかねて知るべし〕
【あ】あさましいものとわがみをひきくらべ おやのおんをばかねてわするな
〔浅ましい者と我が身を引き比べ 親の恩をばかねて忘るな〕
【め】 | 【ゆ】 | 【き】 | 【さ】 |
【さ】さけのミがさけにのまるゝよのならひ のまれぬやうにのむがさけのミ
〔酒飲みが酒に飲まるる世の習い 飲まれぬように飲むが酒飲み〕
【き】きけんよくわらふてくらすそのいゑに ふつきのさうぞあらハれにけり
〔機嫌良く笑うて暮らすその家に 富貴の相ぞ現れにけり〕
【ゆ】ゆくすへをまもりたまふハおやのおん わすれぬやうにかう〓〓をせよ
〔行く末を守り給うは親の恩 忘れぬように孝行をせよ〕
【め】めのまへにくびのおちるをしりながら ぬすびとするハおのがみしらず
〔目の前に首の落ちるを知りながら 盗人するは紅裏身知らず〕
【ひ】 | 【ゑ】 | 【し】 | 【み】 |
【み】みのうへにうきしづミあるよのならひ ひんなるときにしんぼうをせよ
〔身の上に浮き沈みある世の習い 貧なる時に辛抱をせよ〕
【し】しんでからほとけになるをまたずとも いきあるうちによきひとになれ
〔死んでから仏になるを待たずとも 息あるうちに良き人になれ〕
【ゑ】ゑようしてゑいぐわにくらすそのひとの ゆくすへをみよかミこいちまい
〔栄耀して栄花に暮らすその人の 行く末を見よ紙子一枚〕
【ひ】ひハもへるミづハながるゝかぜハちる ひとハしぬるとかねてしるべし
〔火は燃える水は流るる風は散る 人は死ぬるとかねて知るべし〕
【京】 | 【す】 | 【せ】 | 【も】 |
【も】もみうらのこそできてからつゞれきる かほのあかさがおもひやらるゝ
〔紅裏の小袖着てから綴れ着る 顔の赤さが思い遣られる〕
【せ】せうじんにさかなくハぬがせうじんか けんくわをするなせつしやうすな
〔精進に魚食わぬが精進か 喧嘩をするな殺生をすな〕
【す】すてられてせいじんしてもおやのおん かねてわすれなおのがみのため
〔捨てられて成人しても親の恩 かねて忘れな己が身のため〕
【京】きやうあつてあすないものハふたおやぞ たいせつにせよかう〓〓にせよ
〔今日有って明日無い物は二親ぞ 大切にせよ孝行にせよ〕