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道歌の本『童子重宝 以呂波歌教訓鑑』全文紹介Aれ〜ふ
【ね】 | 【つ】 | 【そ】 | 【れ】 |
【れ】れうけんをすれバそのみのとくなるぞ がまんをすれバみをがいすもの
〔了簡をすればその身の徳なるぞ 我慢をすれば身を害すもの〕
【そ】そろばんのけたにはづれしたわけもの わつてあわせてこゝろしらべよ
〔算盤の桁に外れし戯け者 割って合わせて心調べよ〕
【つ】つとめがらよけれバしうもよろこびて またたいせつにするハことわり
〔勤め柄良ければ主も喜びて また大切にするは理〕
【ね】ねざめにもおやのこゝろをやすめかし かならずおやにくらうかけなよ
〔寝覚めにも親の心を休めかし 必ず親に苦労掛けなよ〕
【う】 | 【む】 | 【ら】 | 【な】 |
【な】なぐさみもみのほど〓〓にひきくらべ たのしみすぎてくるしみをする
〔慰みも身の程々に弾き比べ 楽しみ過ぎて苦しみをする〕
【ら】らくじんをみてはたらけよせいだせよ またらくじんになるとしらずや
〔楽人を見て働けよ精出せよ また楽人になると知らずや〕
【む】むかしからすたらぬふうをみならへよ とうせいふうハいやしかりけり
〔昔から廃らぬ風を見習えよ 当世風は卑しかりけり〕
【う】うか〓〓とうきよをくらすそのひとの おひてののちをおもひやるてハ
〔うかうかと浮き世を暮らすその人の 老いての後を思いやりては〕
【く】 | 【お】 | 【の】 | 【ゐ】 |
【ゐ】ゐろふかきはなもあらしにちるならひ わがみもやがてちるとおもへバ
〔色深き花も嵐に散る倣い 我が身もやがて散ると思えば〕
【の】のちのよもこのよもおなしごくらくよ ぢごくへゆくな よきひとになれ
〔後の世もこの世も同じ極楽よ 地獄へ行くな良き人になれ〕
【お】おとなしきひとハそのみのくハほうぞや きうりきられるひとぞかなしき
〔大人しき人はその身の果報ぞや 久離切られる人ぞ悲しき〕
【く】くちおしいむねんといかるいきほひを かぎやうのたしにするがかんじん
〔口惜しい無念と怒る勢いを 家業の足しにするが肝心〕
【ふ】 | 【け】 | 【ま】 | 【や】 |
【や】やかましういふハわがこのためなるぞ かう〓〓なこハよろこんできけ
〔喧しう言うは我が子のためなるぞ 孝行な子は喜んで聞け〕
【ま】まてしばしあくしをやめてしあんせよ よきことならバはやくとゝのへ
〔待て暫し悪事を止めて思案せよ 良き事ならば早く整え〕
【け】けんどんとじやけんをやめてかう〓〓を だいちちにするひとぞひとなり
〔慳貪と邪険を止めて孝行を 第一にする人ぞ人なり〕
【ふ】ふかうするひとハこのよのすたりもの ゑのきのこゑとなるハことハり
〔不孝する人はこの世の廃り者 榎の肥となるは理〕