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三月の手紙(2)解読例と解説(手習いのお手本を読む)

手紙の返信の文例です。
初節句の祝いに料理を贈られ、そのお返しの雛人形を贈る時に書く手紙です。

文意と返り点(解読のヒント)

三月の手紙

@冒頭の決まり文句
A時候の挨拶につづいて相手
が無事であることを祝う
B娘の初節句を祝う料理を贈
られた事に対してお礼を言う


三月の手紙

C内裏雛と桃の花を贈る旨を
述べる
Dこの手紙の要旨をまとめる


三月の手紙

E書留の言葉


解読例と解説

三月の手紙

【よみ】
貴札致拝見候:きさつはいけんいたしそうろう
如仰:おおせのごとく
暖気相成候処:だんきにあいなりそうろうところ
先以:まずもって
弥御安静:いよいよごあんせいに
奉賀候:がしたてまつりそうろう
然者:しからば
御愛女様:ごあいじょさま
初之御節句ニ付:はじめのごせっくにつき
見事之:みごとの
【意味】
御愛女様:相手の娘のこと

三月の手紙

【よみ】
御重之内:おじゅうのうち
被懸貴意:きいをかけられ
不浅:あさからず
忝奉存候:かたじけなくぞんじたてまつりそうろう
麁末なから:そまつならが
内裏雛一対:だいりびないっつい
桃花一篭:とうかひとかご
致進上之候:これをしんじょういたしそうろう
先者:まずは
上巳之御祝儀:じょうしのごしゅうぎ
申上候印迄:もうしあげそうろうしるしまでに
【意味】
御重:重箱のこと
上巳:上巳の節句のこと。三月三日を指す。
【メモ】
なから(3行目):「か」は「可」の草書体(いわゆる変体仮名)で、青丸の部分です。
印迄(6行目):青丸の部分が「印」に該当します。

三月の手紙

【よみ】
御座候:ござそうろう
謹言:きんげん
【メモ】
謹言(1行目):青丸の部分が「言」に該当します。