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弔状(明治時代の教科書『書牘』を読む)

教材(PDFファイル)

読み方(往信)

弔帖(ちょうじょう)
(1)前文(起筆)以書札(しょさつをもって)致啓上候(けいじょういたしそうろう)
(2)本文(先方の父が亡くなったことを悔やむ)御老父御儀(ごろうふおんぎ)御長病之処(ごちょうびょうのところ)御養生御叶ひなく(ごようじょうおんかないなく)去ル幾日(さるいくにち)御死去之由(ごしきょのよし)為御知ニ預り驚入(おしらせにあずかりおどろきいり)御愁傷之程(ごしゅうしょうのほど)御察し申上候(おさっしもうしあげそうろう)
(3)本文(香奠を贈る)依之(これにより)為御香奠(ごこうでんとして)目録之通(もくろくのとおり)差進し候間(さししんしそうろうあいだ)御霊前ニ御供へ(ごれいぜんにおそなえ)可被下候(くださるべくそうろう)
(4)末文(後日会うことを誓う)何れ追日参上(いずれついじつさんじょうし)御弔ひ可申述候(おとむらいもうしのぶべくそうろう)
(5)末文(書留)草々頓首

読み方(返信)

(1)前文(起筆)以手紙(てがみをもって)致啓上候(けいじょういたしそうろう)
(2)本文(香奠のお礼)老父儀(ろうふぎ)病死之節ハ(びょうしのせつは)御懇書を以(ごこんしょをもって)御叮嚀ニ(ごていねいに)香奠御供へ被下(こうでんおそなえくだされ)入御念候段(ごねんにいりそうろうだん)忝存候(かたじけなくぞんじそうろう)
(3)末文(本文の要旨)昨日忌明に(さくじついみあけに)及候ニ付(およびそうろうにつき)此段(このだん)御礼申述候也(おれいもうしのべそうろうなり)

言葉の意味

・進ず(しんず)差し上げる。
・追日(ついじつ)後日。
・忌明け(いみあけ/きあけ)喪の期間が終わること。四十九日を過ぎること。