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返済金受取証文(明治時代の教科書『書牘』を読む)

貸した金銭を返済してもらう際に相手に出す証文の書式です。元金と利息を合わせた金額を受け取ったことと、借金証文を返却することが記されています。

教材(PDFファイル)

読み方

返済金請取証文(へんさいきんうけとりしょうもん)
覚(おぼえ)
何年何月何日(なんねんなんがつなんにち)証書(しょうしょ)
一(ひとつ)金何円也(きんなんえんなり)
此利息(このりそく)金何円ニ付(きんなんえんにつき)幾割幾分の(いくわりいくぶんの)規定にて(きていにて)何年何月日より(なんねんなんがっぴより)何月日まて(なんがっぴまで)何円也(なんえんなり)
合(あわせて)金何円也(きんなんえんなり)
右元利共(みぎがんりとも)書面之通(しょめんのとおり)正ニ請取(まさにうけとり)証書返却いたし(しょうしょへんきゃくいたし)候也(そうろうなり)
何某(なにがし)
何某殿(なにがしどの)

言葉の意味

規定(きてい)互いの決まりごと。
元利(がんり)元金と利息のこと。
証書(しょうしょ)この場合は借金証文のこと。
正に(まさに)確かに。

読み下し

この利息金何円に付き、幾割幾分の規定にて、何年何月日より何月日まで何円なり。
右元利共、書面の通り正に請け取り、証書返却いたし候なり。

【参考】類語と註解

※読解の参考にするため『書牘』の注釈書(参考書)『書牘 : 類語註解 日用文』から該当部分を抜き出しました。

・返済金(へんさいきん)【類語】還付金(かんぷきん)

・利息(りそく)【類語】利子(りし)

・幾割(いくわり)幾分(いくぶ)【類語】何分(なんぶ)の何(なに)

・規定(きじょう)【類語】約定(やくじょう)

・合金(ごうきん)【類語】合計金(ごうけいきん)

・元利(がんり)【類語】母子金(ぼしきん)※母金(元金)と子金(利息)

・書面(しょめん)【類語】券面(けんめん)

・請取(うけとり)【類語】落手(らくしゅ)、落掌(らくしょう)

・返却(へんきゃく)【類語】返還(へんかん)、還付(がんぷ)