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送り証文(明治時代の教科書『書牘』を読む)

荷物を発送した後で別便で送る証文の書式です。この証文と引き換えに荷物を受け取れます。

教材(PDFファイル)

読み方

送り証文(おくりしょうもん)
一(ひとつ)何包(なんつつみ)何十箇(なんじゅっこ)
運賃何銭済(うんちんなんせんすみ)
右運漕会社(みぎうんそうがいしゃ)定便ヲ以て(ていびんをもって)積送り(つみおくり)候也(そうろうなり)
其地(そのち)着之上(ちゃくのうえ)此証書より(このしょうしょより)引合せ(ひきあわせ)御落手(ごらくしゅ)成さるへく候(なさるべくそうろう)
後日のため(ごじつのため)証書差入候也(しょうしょさしいれそうろうなり)
何某(なにがし)
何某殿(なにがしどの)

言葉の意味

運漕(うんそう)船で荷物を運ぶこと。
定便(ていびん)一定の場所と場所の間を定期的に往復する荷物便のこと。
引合せ(ひきあわせ)照合すること。
落手(らくしゅ)受け取ること。
差入(さしいれ)提出すること。

読み下し

右運漕会社定便を以て積み送り候なり。その地着の上、この証書より引き合わせ、御落手なさるべく候。後日のため、証書差し入れ候なり。

【参考】類語と註解

※読解の参考にするため『書牘』の注釈書(参考書)『書牘 : 類語註解 日用文』から該当部分を抜き出しました。

・送(おく)り証文【類語】輸送証(ゆそうしょう)

・運賃(うんちん)【類語】賃銭(ちんせん)

・定便(ていびん)【類語】定時便(ていじびん)

・積送(つみおくり)【類語】輸送(ゆそう)、運輸(うんゆ)

・引合(ひきあわせ)【類語】照会(しょうかい)

・落手(らくしゅ)【類語】領受(りょうじゅ)

・可被成(なさるべき)【類語】可有之(これあるべき)

・後日のため、証書差入(さしいれ)候也【類語】右輸送証(ゆそうしょう)如斯(かくのごとく)候也

・何某【類語】荷主何某

・何某殿【類語】受取人何某殿