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婚姻祝儀状(明治時代の教科書『書牘』を読む)

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読み方

【往信】一筆啓上いたし候(いっぴつけいじょういたしそうろう)益(ますます)御機嫌能(ごきげんよく)渡らせられ(わたらせられ)珍重ニ存候(ちんちょうにぞんじそうろう)然ハ(しからば)今般滞なく(こんぱんとどこおりなく)御婚姻(ごこんいん)御整之よし(おととのいののよし)目出たき御事に(めでたきおんことに)御座候(ござそうろう)依て(よって)御祝儀の(ごしゅうぎの)験まてに(しるしまでに)松魚節一箱(かつおぶしひとはこ)酒一樽(さけひとたる)差進し(さしすすまし)候間(そうろうあいだ)幾久敷(いくひさしく)御受納(ごじゅのう)下され度候(くだされたくそうろう)謹言(きんげん)

【返信】御状拝見いたし候(おじょうはいけんいたしそうろう)暖和之節に候処(だんわのせつにそうろうところ)弥(いよいよ)御勇健(ごゆうけん)珍重之至ニ(ちんちょうのいたりに)存候(ぞんじそうろう)偖は(さては)今般(こんぱん)婚儀(こんぎ)取結(とりむすび)候に付(そうろうにつき)御祝ひとして(おいわいとして)松魚節一箱(かつおぶしひとはこ)美酒壱樽(びしゅひとたる)御贈下され(おおくりくだされ)有かたく(ありがたく)存候(ぞんじそうろう)余は(よは)拝顔之上(はいがんのうえ)御礼(おれい)申述へく候(もうしのぶべくそうろう)謹言(きんげん)

言葉の意味

【往信】
渡らせられ(わたらせられ)「〜している」に敬意をこめた表現。
珍重(ちんちょう)めでたいこと。
験(しるし)祝意を具体的に表した物品。
差進し(さしすすまし)物を贈ること。
幾久敷(いくひさしく)いつまでも変わることなく。

【返信】
余は拝顔之上(よははいがんのうえ)他のことはお目にかかってから。