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年賀状(明治時代の教科書『書牘』を読む)

教材(PDFファイル)

読み方

【往信】新年之嘉儀(しんねんのかぎ)目出度(めでたく)申納候(もうしおさめそうろう)先以(まずもって)貴家益(きけますます)御機嫌克(ごきげんよく)御越年(ごえつねん)大慶に存候(たいけいにぞんじそうろう)次ニ(つぎに)手前方にも打揃(てまえかたにもうちそろい)重歳いたし候間(ちょうさいいたしそうろうあいだ)御省慮(ごせいりょ)下さるへく候(くださるべくそうろう)先は(まずは)年始之御祝詞迄(ねんしのごしゅくしまで)かくの如くに御座候(かくのごとくにござそうろう)余は永日を期し候(よはえいじつをごしそうろう)恐惶謹言(きょうこうきんげん)

【返信】改年之御帖(かいねんのごじょう)目出たく(めでたく)拝見いたし候(はいけんいたしそうろう)御揃(おそろい)弥御安全(いよいよごあんぜんに)御加年成され候由(ごかねんなされそうろうよし)万々御歓申候(ばんばんおよろこびもうしそうろう)当方にても(とうほうにても)一同無事(いちどうぶじに)越年いたし候間(えつねんいたしそうろうあいだ)相変らす(あいかわらず)御懇意之程(ごこんいのほど)相願候(あいねがいそうろう)何れ参上(いずれさんじょう)御祝詞申述へく(ごしゅくしもうしのぶべく)候へとも(そうらえども)御報迄(おしらせまで)斯の如くに候(かくのごとくにそうろう)恐惶謹言(きょうこうきんげん)

言葉の意味

【往信】
嘉儀(かぎ)喜び祝うこと。
申納(もうしおさめ)申し上げます。
先以(まずもって)他の事は差し置いて、先ずすみやかに。
打揃(うちそろい)家族揃って。
重歳(ちょうさい)歳を重ねること。歳を取ること。
省慮(せいりょ)お気になさらずに。
余は永日を期し(よはえいじつをごし)他の話題は再開した時に。

【返信】
改年(かいねん)新年のこと。
御帖(ごじょう)手紙の敬称。