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十月の手紙 解読例と解説(手習いのお手本を読む)

十月は旧暦では冬です。玄猪を祝って贈る亥の子餅に添える手紙です。

文意と返り点(解読のヒント)

十月の手紙

@寒さを意識した時候の挨拶。
A玄猪を祝い、例年通り餅を贈ります。


十月の手紙

B受け取って下さい。
C日付

解読例と解説

十月の手紙

【よみ】
寒冷之節:かんれいのせつ
先以御壮栄奉恭賀候:まずもってごうそうえいにきょうがたてまつりそうろう
玄猪相祝候間:げんちょをあいいわいそうろうあいだ
此上少なから:このうえすこしながら
餅一重嘉例之通進上之仕候:もちいちじゅうかれいのとおりこれをしんじょうつかまつりそうろう
【意味】
玄猪:旧暦十月の亥の日のこと。この日に餅を搗いて収穫を祝った。この餅のことを「亥の子餅(いのこもち)」という。
餅一重:一段分の重箱に餅を詰めた状態か。

十月の手紙

【よみ】
御笑納可被下候、以上:ごしょうのうくださるべくそうろう、いじょう
十月:じゅうがつ