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三月の手紙(1)解読例と解説(手習いのお手本を読む)

三月は旧暦では春です。草餅を贈る際に書く手紙です。

文意と返り点(解読のヒント)

三月の手紙

@時候の挨拶に続いて、相手が無事である事を祝う


三月の手紙

A草餅を贈る旨を述べる
B相手の隠居へ伝言を依頼する
C書留の言葉


三月の手紙

D日付


解読例と解説

三月の手紙

【よみ】
春暖之砌:しゅんだんのみぎり
愈御勇剛:いよいよごゆうごうに
【意味】
砌:時期
勇剛:丈夫であること。※「剛勇」と同じ意味と思われる。剛勇は「強くて勇ましい」という意味であるが、この文例ではそれほど強い意味は持たないと思われる。

三月の手紙

【よみ】
可被成御凌:おしのぎなさるべく
目出度:めでたく
奉存候:ぞんじたてまつりそうろう
然者:しからば
麁末之至:そまつのいたりに
候得共:そうらえども
草餅一重:くさもちいちじゅう
進上之仕候:これをしんじょうつかまつりそうろう
乍末毫:まつごうながら
御隠居様江も:ごいんきょさまへも
宜被仰上:よろしくおおせあげられ
可被下候:くださるべくそうろう
以上:いじょう
【意味】
一重:重箱のこと。
末毫:毫は筆のこと。つまり末筆。
【メモ】
可被成(1行目):青丸の部分が「被」に該当します。

三月の手紙

【よみ】
三月:さんがつ