表紙 > ウェブ古文書講座 > 手習いのお手本を読む > 正月の手紙 解読例と解説


正月の手紙 解読例と解説(手習いのお手本を読む)

1月は旧暦では春です。年賀の印(しるし)として扇子を贈る時の添え状です。

文意と返り点(解読のヒント)

正月の手紙

@正月を祝う
A相手の家族の様子を気遣う


正月の手紙

B扇子を送る旨を伝える
Cこの手紙の要旨をまとめる
D書留の言葉


正月の手紙

E日付


解読例と解説

正月の手紙

【よみ】
改年之御慶賀:かいねんのごけいが
千里同風:せんりどうふう
目出度申収候:めでたくもうしおさめそうろう
先以御家内様:まずもってごかないさま
【意味】
千里同風:天下太平の世の中
御家内様:相手の家族のこと

正月の手紙

【よみ】
益御安康:ますますごあんこう
可被成御越年:ごえつねんなさるべく
珍重奉存候:ちんちょうにぞんじたてまつりそうろう
嘉例之通:かれいのとおり
扇子一箱:せんすひとはこ
進上之仕候:これをしんじょうつかまつりそうろう
右年始御祝詞:みぎねんしのごしゅくし
為可申上:もうしあぐべきため
猶期永日之時候:なおえいじつのときにごしそうろう
恐惶謹言:きょうこうきんげん
【意味】
安康:何事もなく無事なこと
嘉例:めでたい先例
永日の時に期し候:後日お会いできるのを期待しています
恐惶謹言:つつしんで申し上げること(手紙の末尾に記して敬意を表します)
【メモ】
扇子一箱:正月の贈答品の定番
可申上(5行目):青丸の部分が「可」に該当します。

正月の手紙

【よみ】
正月:しょうがつ